近現代史の勉強を始めた

すでに3年半になるが、免疫学の本「免疫はがんに何をしているのか」を書き上げた(技術評論社、2016年12月)。タイトルはいかにも「がん免疫に関する本」という感じであるが、実際は私の免疫に関する考え方をまとめた本である。免疫学研究は、一応これで卒業と考えている。残る人生は、少しばかり人間の生きざまにかかわることへ視野を広めたいと考えていた。と言っても、政治や経済には興味はない。勉強するなら文学か歴史かなと思っていた。ただし文学は多様過ぎて、焦点が定まらない。また芸術に近い面があって、それなりの才能も必要な気もする。ということで、近現代の歴史を勉強しながら“自分の生きてきた時代”を振り返ってみよと考えた。

いつの時代でも、気楽に生きられるということはないわけで、そこに生きていた人々は、今は大変な世の中だと思っていたかもしれない。しかし、20世紀は2つの世界大戦を含む格別に激動の時代だったと言ってもよいだろう。それゆえ、基本方針としてこのあたりの歴史を勉強してみることにした。数年前から少しずつ本を読み始めたのだが、基礎知識が欠けているからか、内容を端から忘れていく。歴史の全体像も重要なポイントも、なかなか見えてこないという状況が続いた。これでは、生きているうちに何かを会得することなどあり得ないのではと、とまどってしまった。そこで、何かテーマを設定して、一定期間はそのテーマに集中して勉強することにした。

いくつか選んだテーマの中で、2つ目に調べ始めたのが日米戦争である。始めたのは昨年の夏で、実は昨年中にはテーマを変えるつもりであった。しかし勉強を続けていると、当然のことだが、すべての歴史は連関している。今はこの日米戦争を軸に、アメリカ、中国、ソ連、ヨーロッパ、朝鮮などの歴史へと広げていきたいと考えている。言わずもがなだが、日本史はこれらすべてにかかわっている。

この勉強は学術的研究ではない、というか、そんなレベルではない。ただし日米戦争に関する研究は、主にアメリカで20年ほど前から完全に見直されている。わが国ではずいぶんと遅れたものの、この10年ほどで見直しが進みつつある。わが国ではGHQによる「日本を悪者に仕立てる」方針が、“教育者”や“歴史学者”を今なお支配している面が強く、なかなか抜け出せない。それゆえにと言うべきか、多く人がこの新しい流れを理解していないようだ。私にとっても新しい“発見”の連続で、少しばかり“研究”を行っている気分でもある。

このところ、勉強したことをまとめて飲み会などで話すことを趣味として生きている。「日米戦争について」は、すでに7-8回は話した。話をすれば質問も受けるし、間違いを指摘してくれる人もいて、理解も深まる。話のメモを、「02 歴史のことなど」の欄に出しておく。現在は、この話の裏側のことを「日米戦争の背景」としてまとめているのだが、コロナ騒ぎで話す機会がほとんどなくなった。せめて数回は話して、もう少しまとまったら、これも掲載するつもりである。

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